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2025年9月12日

  • 駐車場経営の基本

バリカーとは?価格・種類・選ぶポイントまで駐車場経営に役立つ知識を徹底解説

バリカーとは?駐車場に欠かせない基本機能と役割をわかりやすく解説

駐車場を安全かつ効率的に運営するうえで欠かせない設備の一つが「バリカー」です。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、実際には多くの駐車場や商業施設、道路などで日常的に使われています。

ここでは、バリカーの正式名称や役割、類似する設備との違いについてわかりやすく解説します。

バリカーってなに?正式名称や意味、よく耳にするバリカーポールについて解説

「バリカー」とは、英語の「バリケード(barricade)」を語源とする言葉で、日本では車両の侵入を防ぐために設置される鉄製またはアルミ製のポールや柵の総称として使われています。

なかでも、細長い棒状の形状をしたものは「バリカーポール」とも呼ばれています。設置方法や形状、材質の違いによってさまざまな種類があり、単なる車止めとしてだけでなく、安全管理や景観保持の面でも重要な役割を果たします。

バリカーの主な役割は?不正駐車防止・接触事故防止など車止めとして多目的な効果

バリカーの最大の役割は、車両の誤進入や不正駐車を防ぐことです。

例えば、月極駐車場で契約外の車両による無断駐車を防いだり、歩行者専用エリアへの自動車の侵入を防止したりと、実用性の高い使い方がされています。

また、車両が壁やフェンスなどに接触する前にバリカーがストッパーのような役割を果たすため、接触事故の被害を軽減する効果もあります。

さらに、車両の通行経路を自然に誘導する目的でも利用されており、駐車場や施設内の安全性向上にもつながります。

バリカー・バリカーポールとボラードの違いとは?

バリカーとよく似た設備として「ボラード」という言葉もよく使われます。両者は形状や設置場所が似ているため混同されがちですが、使用目的や強度設計に明確な違いがあります。

バリカーは「車両の進入を物理的に防ぐ」ための設備です。太さや高さ、強度、材質などにバリエーションがあり、場所によっては高い強度が求められます。駐車場では、不正侵入や誤進入の防止、接触事故のリスク軽減など、明確な機能目的があります。

一方、ボラードは主に「歩行者と車両のエリアを分ける」ための目印として設置されることが多く、必ずしも車両の進入を完全に防ぐ強度は求められません。

また、ボラードは景観に配慮したデザイン性を重視した製品が多いのに対し、バリカーは安全性や耐久性などの機能性が優先される傾向があります。駐車場の目的や立地条件に応じて、どちらを選ぶべきかを判断することが大切です。

バリカーの種類を解説!駐車場の形状や用途ごとに合うバリカーを解説

バリカーにはさまざまな種類があり、設置場所の広さや用途に応じて適切なタイプを選ぶことが重要です。

特に駐車場経営においては、車両の出入りの頻度や防犯性、メンテナンスのしやすさなどを考慮しながら、最適なバリカーを導入することが求められます。

ここでは、代表的なバリカーの種類と、月極駐車場やコインパーキングにおすすめのタイプをご紹介します。

バリカーの主な種類|固定式・上下式・差込み式・脱着式・コの字型・移動式

まず代表的なバリカーの種類を見てみましょう。

  1. 固定式バリカー
    固定式バリカーは、地面にしっかりとアンカーで固定されており、常に設置された状態で使用されます。不正駐車や車両の侵入防止に効果的で、歩道や敷地の境界線などによく用いられます。可動性はありませんが、耐久性と安全性に優れています。
  2. 上下式(可動式)バリカー
    上下式(可動式)は、バリカーを上下に動かして地面に収納したり、鍵で引き上げたりできる可動タイプです。利用者のみが操作できるため、月極駐車場や関係者専用スペースなどに適しています。未使用時は、収納機能により、景観や歩行の邪魔になりにくい点もメリットです。
  3. 差込み式バリカー
    差込み式バリカーは、地面に設置した受け口にポールを差し込んで使用するタイプです。不要時は取り外しが可能で、コストを抑えながら可動性を確保したい場合に便利です。
  4. 脱着式バリカー
    脱着式バリカーは、鍵や金具で簡単に取り外しができるタイプで、柔軟な運用が可能です。たとえばイベント時など、一時的にスペースを開放したい駐車場や施設に適しています。
  5. コの字型バリカー
    コの字型バリカーは、U字状に連結された構造で、左右の支柱を地面に固定するタイプです。接触時のダメージを軽減する設計になっていて、車止めとしての安全性や視認性が高いです。そのため、商業施設やオフィスビルの駐車場で多く採用されています。
  6. 移動式バリカー
    移動式バリカーは、重量のある土台やキャスター付きで、必要に応じて場所を変えられるバリカーです。一時的な誘導や工事現場、臨時駐車場、イベント会場などの短期的な設置でよく使われます。

用途別のおすすめバリカー・バリカーポールを紹介|月極駐車場・コインパーキング

バリカーの選定は、駐車場の用途や運営スタイルに応じて最適な種類を選ぶことが重要です。たとえば、月極駐車場での利用であれば、上下式や差込み式のバリカーが特におすすめです。

これらは、契約者のみが出入りできるように、制限できる鍵付きタイプが多く、不正利用の防止と、利便性の両立が図れるため、月極駐車場での利用に適しています。

一方、コインパーキングでは、日中複数の車両が頻繁に出入りするため、コインパーキング運営会社が設置する自動ロック式の車止め設備やコーン型の可動式バリカーが活躍します。これにより、車両の通行を制限するだけでなく、場内の安全性や誘導性を高める効果も期待できます。

このように、バリカーは単なる障害物ではなく、駐車場の効率的な運営と安全性を左右する重要な設備です。運営スタイルや規模に合わせた種類を選ぶことで、トラブルの防止とスムーズな運営につながります。

バリカーの価格や耐用年数は?それぞれの種類別の相場を解説

バリカーを導入する際に気になるのが、設置にかかる費用や耐用年数です。駐車場の規模や運営スタイルによって必要な本数や種類が異なるため、コスト感を事前に把握しておくことが大切です。

また、設置後のメンテナンスや交換時期も見据えたうえで、長期的な運用コストを考慮することが、安定した駐車場経営につながります。

ここでは、バリカーの種類別の価格帯と耐用年数の目安について解説します。

バリカー・バリカーポールの価格はどれくらい?設備費用と施工コストを合わせて解説

バリカーの価格は種類によって大きく異なります。
比較的安価な固定式バリカーであれば、1本あたりおよそ5,000円〜15,000円が相場です。

設置も容易なため、施工費込みでも1本あたり20,000円前後で収まるケースが多いです。

鍵付きの上下式バリカーになると、可動部分や鍵の機構が加わるため、1本あたり20,000円〜50,000円が目安です。取り付け費用を含めると、1本あたり40,000円〜70,000円程度になる場合もあります。

差込み式や脱着式も上下式と同程度の価格帯で、簡易型であれば20,000円前後、高機能なものでは50,000円以上になることもあります。

さらに、コの字型や大型の特殊バリカーでは1本あたり50,000円〜100,000円以上になる場合があり、施工費も加えると1台あたり100,000円以上かかるケースもあります。

また、複数本をまとめて設置する場合は工事費や資材費も含めて数十万円規模になることもあるため、予算に応じた設計が必要です。

耐用年数と交換タイミングの目安は?

バリカーの耐用年数は、設置場所や使用頻度、材質によって異なりますが、一般的には5年〜10年程度が目安とされています。

特に屋外に設置する場合は、雨風や紫外線の影響を受けやすいため、錆や腐食に強い素材(ステンレスや防錆加工品)を選ぶことが、耐用年数を延ばすための重要なポイントです。

また、上下式や差込み式などの可動部を持つバリカーは、鍵の破損や開閉トラブルが発生しやすいため、3〜5年程度でメンテナンスや一部部品の交換が必要になることもあります。

定期的に点検を行い、不具合が出る前に早めに交換を検討することで、駐車場利用者の安全性を維持しながら、トラブルの発生を未然に防ぐことができます。

なお、管理委託方式や一括借り上げ方式で駐車場を運営する場合、これらの設備の保守や更新も運営会社が対応してくれるケースもあります。バリカーの維持管理に不安がある場合は、専門の運営会社への委託も視野に入れるとよいでしょう。

バリカーを選ぶときにチェックすべきポイントは?失敗しない選び方を解説

バリカーは駐車場の安全性や利便性を高めるだけでなく、運営の効率にも関わる重要な設備です。

しかし、ただ価格や見た目だけで安易に選んでしまうと、運用上の不便や余計なコストが発生してしまうこともあります。ここでは、バリカーを導入する際にチェックすべき主なポイントと、それぞれに適したバリカーの種類をご紹介します。

駐車場の運営スタイルに合った種類を選ぶ

月極駐車場や契約者専用スペースなど、特定の利用者のみが出入りする運営スタイルの場合は、上下式バリカーや差込み式バリカーが適しています。これらは鍵付きで開閉できるため、無断駐車を防ぎながら、契約者のスムーズな入出庫を提供することが可能です。

一方、コインパーキングのように不特定多数の車両が頻繁に出入りする駐車場では、運営会社が設置する自動ロック装置などとの併用が一般的です。補助的に固定式やコの字型のバリカーを配置することで、安全な車両誘導が可能になります。

防犯レベルや安全性に応じた種類を選ぶ

繁華街や夜間の無人運営が多いエリアでは、不正侵入や車上荒らしなどのリスクが高まる傾向があります。こうした環境では、防犯性に優れた頑丈な固定式バリカーや脱着式バリカーが適しています。

特に、コンクリートアンカーなどで地中にしっかりと固定されたタイプは、車両の突破を物理的に防ぐ効果が高く、防犯性能に優れています。

歩行者との接触や構内事故を防止する目的であれば、視認性の高いカラー(黄色や反射テープ付き)のバリカーを選ぶと良いでしょう。

車止め機能や可動性など、利用者の利便性に配慮した種類を選ぶ

高齢者や女性ドライバーの利用が多い駐車場では、バリカーの操作性も重要な要素となります。軽量な差込み式やワンタッチで開閉できる上下式であれば、手軽に使えるため、利用時のストレスを軽減できます。

また、可動タイプの中には、キャスター付きで簡単に移動できる移動式バリカーもあり、イベントや工事でレイアウトを変更したい場合に便利です。

設置コストや予算に合った種類を選ぶ

初期投資を抑えたい場合には、固定式や差込み式のバリカーが有力な選択肢です。これらは施工が比較的簡単で、1本あたりの単価も安価なため、広い敷地でも導入しやすいのが特徴です。

一方、可動式や上下式は利便性が高い分、価格が上がる傾向にあるため、必要な場所に限定して設置することでコストを最適化できます。

管理やメンテナンス頻度に応じた種類を選ぶ

頻繁に開閉を行う場所では、上下式や脱着式などの可動部があるバリカーは定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。錆びにくいステンレス製や、耐候性の高い塗装が施された製品を選ぶことで、耐用年数を延ばすことができます。

反対に、メンテナンスの手間を極力省きたい場合は、可動部がなく破損リスクの低い固定式バリカーが最適です。

バリカーの設置も任せられる?一括借り上げ方式なら駐車場運営まで一括対応も可能!

バリカーの設置や管理は、駐車場経営において意外と手間がかかる部分です。種類選びや設置工事、さらには維持・修理に至るまで、オーナー様がすべて対応しようとすると、時間的・金銭的な負担が大きくなってしまう場合もあります。

こうした負担を軽減し、土地の有効活用をスムーズに始められる手段のひとつが「一括借り上げ方式」です。

一括借り上げ方式とは?駐車場経営をまるごと任せられる仕組み

一括借り上げ方式とは、駐車場の運営会社がオーナー様の土地をまとめて借り上げ、運営から管理までを一括で代行する仕組みです。

オーナー様は毎月決まった賃料を受け取るだけでよく、煩雑な運営や管理業務に関わる必要がありません。

この方式の大きな魅力は、土地の状況や目的に応じて、設備の選定・設置までを運営会社に一任できる点です。

バリカー・バリカーポールなどの設備設置も任せられる?運営会社によって対応が異なるため注意

一括借り上げ方式では、バリカー・バリカーポールなどの設備設置も任せることができます。

たとえば、無断駐車のリスクがある土地には上下式バリカーを設置し、安全確保が課題であればコの字型や固定式バリカーを選定するなど、といった具合にプロの視点から最適なタイプを提案・選定してくれます。

それに合わせて、駐車場のレイアウト設計や収容台数の最適化も含めて計画してくれるため、土地の収益性を最大限に高めやすいのが特徴です。

ただし、一括借り上げ方式であっても、すべての運営会社が同じサービス内容とは限りません。

契約形態によっては、設備設置費用や舗装工事の一部をオーナー様が負担する場合や、設置可能なバリカーの種類や設置箇所に制限がある場合も見受けられます。

一方で、初期費用から管理費用まですべて運営会社が負担し、オーナー様は資金的リスクをほぼゼロに近づけた状態で駐車場経営をスタートすることができる場合も存在します。

このように、一括借り上げ方式のメリットを最大限に活かすには、運営会社の実績や契約内容を事前によく確認することが重要です。

特に、バリカーのような設備は、駐車場の収益性や安全性に大きく関わるため、設置方針やメンテナンス体制まで細かくチェックしておく必要があります。信頼できる運営会社であれば、こうした設備面にも丁寧に対応し、長期的なサポートをしてくれるでしょう。

バリカーの設置から駐車場・コインパーキングの運営まで、困ったらエコロパークにお任せください

バリカーの設置や駐車場の運営でお悩みのオーナー様は、ぜひ全国5,000箇所の駐車場運営を任されているエコロパークにご相談ください。

エコロパークでは、土地の形状や立地条件を丁寧に調査したうえで、最適なバリカーの選定からレイアウト設計、施工、運営まで一括で対応可能です。

一括借り上げ方式を採用しているため、オーナー様は煩雑な手続きを行う必要がなく、駐車場の稼働率に関係なく、毎月安定した賃料を得ることができます。設備費用や管理コストについても、契約内容に応じてエコロパークが負担いたしますので、初期費用に不安がある方でも安心してスタートいただけます。

また、バリカーを含む駐車場設備の保守管理も対応しており、設置後のトラブルや老朽化への対策も万全です。土地を活かして収益を得たいとお考えのオーナー様は、まずはお気軽にお問い合わせください。

エコロパークが、土地のポテンシャルを最大限に引き出すお手伝いをいたします。

明堂 浩治

監修者

ディバルコンサルタント株式会社 代表取締役

明堂 浩治

芝浦工業大学 工学部 建築工学科卒。大手建設会社(大成建設グループ)にて、個人・法人地主への土地活用提案や建築営業に20年間従事。その後独立し、ディバルコンサルタント株式会社を設立。新築・改修工事、建物管理、土地の有効活用提案まで一貫したサポートを提供しており、特に相続後の土地や建物の活用相談にも多数の実績を持つ建築・不動産コンサルティングの専門家。

飯塚 祐世

執筆者

株式会社スタルジー 代表取締役

飯塚 祐世

タワーマンションの理事長として、サブリース方式で空きが出ていた駐車場の収益改善に取り組み、修繕積立金不足の課題を解決。現在は、マンション管理組合向けの実践的サポートサイト「管理組合サポート」を運営し、現場目線での課題解決を行う。実体験に基づいた土地・建物の収益改善提案を得意とする、管理と経営に強い実務家。

https://kanrikumiai-support.jp/

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